2021年6月16日水曜日
2021年度日本演劇学会全国大会
2021年5月16日日曜日
「温もり」とはなにか
『民俗芸能学会会報』109号に、代表理事に就任した山路興造さんが「どっこい生きてる―代表理事より―」という文章を寄せている。内容を要約すると、以下の通り。
- 髙山茂代表理事の遺言により代表理事代行を引き受けたが、迂闊であった。複数の代表はうまく行くはずはない。
- 2020年2月ごろから新入会員が増えた。選挙は問題なく行われたが、新入会員が自分の知る人に投票したのに対し、旧来の会員が投票を怠ったため、選挙で選ばれる理事の顔ぶれが大きく変わった。それにともなって選挙理事によって選ばれる指名理事も変わった。
- コロナ禍のため、2020年度は、大会、例会、理事会が通常のかたちで開催できなかった。友人が「学会などの大会、研究発表やシンポジュームも大事だが、懇親会で人と顔を突きあわせ、情報を交換するのがより楽しくて重要だ」と言ったが、名言である。遠隔会議システムは便利だが、人間の「温もり」は薄い。「温もり」の伝わる学会運営を目指す。
2021年5月15日土曜日
民俗芸能学会主催「(仮題)福島の海と山から」の奇妙さ
民俗芸能学会の運営が正常でなくなっていることは以前書いた通り。今年度から理事会メンバーが大きく入れ替わり、昨年末に代表理事代行を解任された山路興造さんが代表理事に、茂木栄さんが事務局長に就任した。
5月12日に民俗芸能学会の会報(電子版)が届いた。第19期第1回臨時理事会(2021年4月10日)の報告に以下のような記述があった。
「令和四年・東日本大震災の新たな十年に向かっての鎮魂の芸能の企画(仮題)「福島の海と山から」・福島県浜通りにて、海に向かい奉納。「じゃんがら念仏」「権現様の舞」「浦安の舞」など三組程度が候補。・民俗芸能学会が主催すること、学会基金より二〇万円の拠出を決定。企画の具体に関しては、茂木理事を中心に継続審議とする」
少なくともここ10年、民俗芸能学会で芸能公演を主催したことはなかった。研究を本分とする学会で芸能公演を主催する、しかも特定の地域で行うことには疑問がある。それよりも大きな問題は、理事会の判断だけで、20万円もの拠出を決めている点である。20万円は民俗芸能学会では大会費に匹敵する大きな額である。公演の日程も出演団体も決まっていない(明らかになっていない)のに、支出だけがはっきりしているというのが理解できない。
理事会の判断で臨時の支出を決めるという判断はありうる。例えば、2020年度に理事会の判断でZOOMの契約をしたが、通常の活動である理事会や研究例会が対面で実施できない状況に対応するためのものだった。新しい事業を立ち上げるのであれば、理事会で審議したのちに、総会で承認を得るという手続きを経るというのが常識的な流れであろう。
2021年3月21日日曜日
学会では研究の議論をしたい
2020年7月20日、SNSのメッセージ機能を通じて、民俗学の研究会で一度会ったきりの方から僕あてに「ある方が入会金を負担するから民俗芸能学会に入らないか(「ある方」の個人名はあげていなかった)」というメッセージが届いた。僕は、すでに民俗芸能学会の会員だったし、なおかつ2017年度から理事として運営に関わってきた。学会によっては、学生会員の会費減免キャンペーンをしていることもあるが、民俗芸能学会では特にそういう措置はとっていなかった。秋に理事選挙を控えていることもあり、選挙の直前に第三者が会費を負担して、新入会員を入れるのは、一般的に「買収」と呼ばれる行為ではないか。僕が会員であること、学会として会費の減免措置は行っていないこと、選挙の直前にそういう行為をされるのは困るということを返信して、この件はなかったことにした。
2020年9月5日に民俗芸能学会の理事会が行われ、2020年度に入ってから大量に新しい会員が入ったことが報告され、当時、代表理事代行であった茂木栄さんから「(推薦人として自分が)努力した」という発言があった。民俗芸能学会に入会するには、一名以上の会員の推薦、会費の納入、理事会の承認が必要である。しかし、理事会による審査は実際には行われておらず、承認の確認も一切省略されていた。このとき、7月のやりとりを思い出したが、比較的スムーズに進んでいた会議が長引くことを避けるため、発言しなかった。会議終了後、日頃から親しくしている他の理事にメッセージの件について相談した。
理事会の直後に理事選挙が公示されたが、僕に勧誘メッセージを送った方が不利益を被ることがないように、すぐには理事会全体に公表しなかった。2020年9月21日に事務局から理事会のメーリングリストに送られてきた議事録に返信のかたちで「不適切な勧誘が行われたのではないか」という懸念を表明した。翌22日に事務局で会計を担当している理事から、同日に同一の金融機関から複数人の会費が振り込まれたという報告があった。この時点で選挙違反が強く疑われ、複数の理事から調査を求める意見が出た。茂木栄さんから「自分が調査するから、やりとりの証拠を提出せよ」という発言があったが、僕はそれを拒否し、第三者による調査を要求した。複数の理事から臨時理事会を求める意見が表明されるなか、茂木さんは「メッセージは舘野の捏造」と断定し、要求に応えなかった。
2020年10月6日に理事選挙の開票が行われ、新入会員を含む、これまで学会の活動に関わってこなかった(大会、例会に参加していない、あるいは紀要に原稿を書いていない)方が上位で当選したことが明らかになった。民俗芸能学会では、選挙の上位10名が理事になり、その他に、会の運営のため、当選者がさらに10名程度の会員を理事に選ぶという仕組みになっている。選挙の後に行なわれた当選者の話し合いで、これまで運営に積極的に関わってきた理事を外す決定がなされ、僕も今年度限りということになった。
民俗芸能学会では代表理事が理事会を要求することになっている。選挙をまたいで、理事21名中10名の連名で臨時理事会の開催を要求したが、三名の代表理事代行はそれに応じなかった。理事の意見を集約するために、2020年11月22日に「理事の会」を開催し、理事13名の承認を経て、代表理事代行を解任し、俵木悟さんを代表理事に選出することを決定した。解任された代表理事代行三名のうち、茂木栄さんと山路興造さんはこの決定を不服として、2020年12月31日に、俵木さんと事務局担当理事二名に対して、「法的根拠」の説明を求める通知を、弁護士を通じて送った。「通知」というと何ということはないが、要するに「訴えるぞ」という脅迫である。受け取った方によると届いたのはお正月とのこと。本人だけでなく、ご家族にも不安を与えたことだろう。
新年度からの民俗芸能学会は山路興造さんが代表理事になり、茂木栄さんもひきつづき理事をつとめるそうだ。僕は、仲間に対して、「捏造」と決めつけたり、脅迫したりする人間が研究組織の代表にふさわしいとは思えない。
ところで、茂木さんと山路さんは、僕やそれ以外の理事が新会員の入会を拒んだという話にしたいようだが、その事実はない。入会を希望する方なら誰でも歓迎で、選挙の直前に本人以外が会費を払って入会する(させる)という手続きを問題視してきた。あらぬ疑いを避けるためには、事前に理事会に説明する、入会手続きを選挙の後にするなど、いくらでもやり方はあったはずだ。それをしなかった、後から釈明もしなかったということは、選挙のために入会させる「加入戦術」であったと見られても仕方ないだろう。