2022年11月27日日曜日

民俗芸能学会の乗っ取りについて

民俗芸能学会では、2年ごとに会員の互選で上位10名の理事を選出し、そのメンバーが協議してさらに10名程度の理事を指名し、20名程度の理事で学会運営の実務を担ってきました。

来年度からの役員を決める選挙が10月に行われ、開票結果が会員に送られてきました。以下に内容を転載します。

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上位得票者

① 茂木栄
② 鈴木通大
③ 野村伸一
④ 加藤健司
⑤ 風早康惠
⑤ 薗田稔
⑦ 吉田純子
⑧ 宇野正人
⑨ 堀内ふき
⑩ 茂木貞純

選挙管理委員:鈴木通大、野村伸一
有権者数:317名
投票総数:193票
有効投票数:175通
白票数:15通
無効投票数:3通
有効投票数:1360票

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今回の選挙で早稲田大学出身の会員はひとりも当選しませんでした。民俗芸能学会は発足以来、事務局を演劇博物館に置いてきましたし、本田安次さんや鳥越文蔵さんが学会運営のために多額の寄付をされるなど、早稲田大学との関係は非常に深いものでした。

前回の選挙では不正まがいのことが行われましたが、現代表理事の山路興造さんは理事・会員の指摘をなぜか無視し続けて放置してきました。そのため、それまで精力的に活動してきた会員が学会を去ることになりました。今回、本田安次の後継者といえる山路さんが落選し、そのかわりに民俗芸能での業績が皆無の方が当選したのは、民俗芸能学会が学術学会ではない別の何かに変わったということではないでしょうか。

2022年2月14日月曜日

2021年度「現代日本における地域市民演劇の諸相」研究集会

科学研究費・基盤研究(B):「現代日本における地域市民演劇の諸相」(研究代表者:片山幹生)では、2021年度研究集会をオンラインで公開して以下のように実施します。前身のプロジェクト「日本の地域素人演劇の包括的研究」の成果物である『「地域市民演劇」の現在』(2022年、森話社)の刊行記念も兼ねています。 

開催日時:2022年3月14日(月)10:00~15:00
参加費:無料

プログラム
【午前の部】 
 10:00- 日比野啓:『「地域市民演劇」の現在』について
 10:30- 小川史:崋山劇(愛知県)
 11:00- 片山幹生:切山歌舞伎(山口県)
 11:30- 鈴木理映子:劇団音芽(大阪府)

【午後の部】
 13:00- 舘野太朗:長崎まるごとシアター(長崎県)
 13:30- 須川渡:劇団生活舞台(福岡県)
 14:00- 畑中小百合:劇団四紀会(兵庫県)
 14:30- 本橋哲也:現代版組踊レキオス(沖縄県)

一部のみの聴講も可能です。参加を希望されるかたは3月13日(日)までにこちらから参加者登録をお願いします。登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。

地域市民演劇研究のブログもご覧ください。

2021年6月16日水曜日

2021年度日本演劇学会全国大会

日本演劇学会の全国大会が、6月26日、27日にオンラインで開催されます。

僕は、27日14時45分からのシンポジウム「いま、臨界点にある演劇:「現代版組踊」から、 演劇と地域、教育、産業を考える」に、司会・発表者として登壇します。

発表者は、片山幹生さん、 鈴木理映子さん。コメンテーターには、澤井万七美さん、永田靖さんをお迎えします。

僕は、創作和太鼓、創作エイサー、よさこい系ダンスなどの「新しい郷土芸能」の流れを参照しながら、現代版組踊についてお話しする予定です。27日の午前中には、平田大一さんと平田オリザさんの「W平田対談」も行われます。非会員でも参加可能とのことですので、関心あればぜひご参加ください。

申し込みと詳細は、日本演劇学会のWebページをご覧ください。

2021年5月16日日曜日

「温もり」とはなにか

 『民俗芸能学会会報』109号に、代表理事に就任した山路興造さんが「どっこい生きてる―代表理事より―」という文章を寄せている。内容を要約すると、以下の通り。

  1. 髙山茂代表理事の遺言により代表理事代行を引き受けたが、迂闊であった。複数の代表はうまく行くはずはない。
  2. 2020年2月ごろから新入会員が増えた。選挙は問題なく行われたが、新入会員が自分の知る人に投票したのに対し、旧来の会員が投票を怠ったため、選挙で選ばれる理事の顔ぶれが大きく変わった。それにともなって選挙理事によって選ばれる指名理事も変わった。
  3. コロナ禍のため、2020年度は、大会、例会、理事会が通常のかたちで開催できなかった。友人が「学会などの大会、研究発表やシンポジュームも大事だが、懇親会で人と顔を突きあわせ、情報を交換するのがより楽しくて重要だ」と言ったが、名言である。遠隔会議システムは便利だが、人間の「温もり」は薄い。「温もり」の伝わる学会運営を目指す。
1について。
代表理事代行3名による運営がうまくいかなかったのは、理事会メンバーが臨時理事会の開催を要求したのに、代表理事代行が応じなかったのが原因である。理事(の意見)を代表していないから解任したのであり、複数名であったことは関係がない。代表理事代行解任後に、山路興造さんと茂木栄さんは連名で、俵木悟さんの代表理事就任を不服として、一部の理事に内容証明郵便を送っている。2020年末の時点では代表理事代行の座にしがみつこうとしていたのに、「うまく行くはずがない」とは何か心境の変化があったのだろうか。

2について。
理事選挙は記名投票ではないのに、誰が誰に投票したかという憶測を公然と述べていることに唖然とする。組織的な入会があって理事会が乗っ取られたことを認め、開き直っていると見てよいだろう。僕は入会手続きに問題はあったが、選挙については適正に行われたと考えている。民俗芸能に関する業績のない方が当選しても、結果は受け入れるべきだし、それには誰も反対していないはずだ。ただし、新しく理事になった人とこれまで実質的に運営を担ってきた人が協力して方向を決めていくべきで、指名理事の枠でバランスをとることを考えるのが普通だろう。そういうことをせず、なぜか理事を全面的に入れ替えるという方針が取られた。

3について。
通常の会議と遠隔会議システムを使ったものが違うというのは、誰にでもわかることである。平時に戻ったときに、どのように使い分けるかが課題だろう。民俗芸能学会では、2020年7月理事会でZOOMを導入し、会場とオンラインの併用で会議を行った。全面的にオンラインにならなかったのは、代表理事代行であった山路興造さんと茂木栄さんが強硬に会場での開催を主張したからである。あまり知られていないが、民俗芸能学会では遠方に住む理事に対して、理事会に出席するための交通費を支給することになっている(会員の方は収支報告を見てください)。これまでに受給したことがあるのは、山路興造さんと神田より子さんだけである(神田さんは関東に戻ってからは受け取っていない)。山路さんが遠隔会議を否定し、対面に拘るのは、遠隔会議が常態化して交通費をカットされるのを恐れているからではないだろうか。「温もり」とは、要するに金のことではないかと邪推したくもなる。

2021年5月15日土曜日

民俗芸能学会主催「(仮題)福島の海と山から」の奇妙さ

民俗芸能学会の運営が正常でなくなっていることは以前書いた通り。今年度から理事会メンバーが大きく入れ替わり、昨年末に代表理事代行を解任された山路興造さんが代表理事に、茂木栄さんが事務局長に就任した。

5月12日に民俗芸能学会の会報(電子版)が届いた。第19期第1回臨時理事会(2021年4月10日)の報告に以下のような記述があった。

「令和四年・東日本大震災の新たな十年に向かっての鎮魂の芸能の企画(仮題)「福島の海と山から」・福島県浜通りにて、海に向かい奉納。「じゃんがら念仏」「権現様の舞」「浦安の舞」など三組程度が候補。・民俗芸能学会が主催すること、学会基金より二〇万円の拠出を決定。企画の具体に関しては、茂木理事を中心に継続審議とする」

 少なくともここ10年、民俗芸能学会で芸能公演を主催したことはなかった。研究を本分とする学会で芸能公演を主催する、しかも特定の地域で行うことには疑問がある。それよりも大きな問題は、理事会の判断だけで、20万円もの拠出を決めている点である。20万円は民俗芸能学会では大会費に匹敵する大きな額である。公演の日程も出演団体も決まっていない(明らかになっていない)のに、支出だけがはっきりしているというのが理解できない。

理事会の判断で臨時の支出を決めるという判断はありうる。例えば、2020年度に理事会の判断でZOOMの契約をしたが、通常の活動である理事会や研究例会が対面で実施できない状況に対応するためのものだった。新しい事業を立ち上げるのであれば、理事会で審議したのちに、総会で承認を得るという手続きを経るというのが常識的な流れであろう。

2021年3月21日日曜日

学会では研究の議論をしたい

 2020年7月20日、SNSのメッセージ機能を通じて、民俗学の研究会で一度会ったきりの方から僕あてに「ある方が入会金を負担するから民俗芸能学会に入らないか(「ある方」の個人名はあげていなかった)」というメッセージが届いた。僕は、すでに民俗芸能学会の会員だったし、なおかつ2017年度から理事として運営に関わってきた。学会によっては、学生会員の会費減免キャンペーンをしていることもあるが、民俗芸能学会では特にそういう措置はとっていなかった。秋に理事選挙を控えていることもあり、選挙の直前に第三者が会費を負担して、新入会員を入れるのは、一般的に「買収」と呼ばれる行為ではないか。僕が会員であること、学会として会費の減免措置は行っていないこと、選挙の直前にそういう行為をされるのは困るということを返信して、この件はなかったことにした。


2020年9月5日に民俗芸能学会の理事会が行われ、2020年度に入ってから大量に新しい会員が入ったことが報告され、当時、代表理事代行であった茂木栄さんから「(推薦人として自分が)努力した」という発言があった。民俗芸能学会に入会するには、一名以上の会員の推薦、会費の納入、理事会の承認が必要である。しかし、理事会による審査は実際には行われておらず、承認の確認も一切省略されていた。このとき、7月のやりとりを思い出したが、比較的スムーズに進んでいた会議が長引くことを避けるため、発言しなかった。会議終了後、日頃から親しくしている他の理事にメッセージの件について相談した。


理事会の直後に理事選挙が公示されたが、僕に勧誘メッセージを送った方が不利益を被ることがないように、すぐには理事会全体に公表しなかった。2020年9月21日に事務局から理事会のメーリングリストに送られてきた議事録に返信のかたちで「不適切な勧誘が行われたのではないか」という懸念を表明した。翌22日に事務局で会計を担当している理事から、同日に同一の金融機関から複数人の会費が振り込まれたという報告があった。この時点で選挙違反が強く疑われ、複数の理事から調査を求める意見が出た。茂木栄さんから「自分が調査するから、やりとりの証拠を提出せよ」という発言があったが、僕はそれを拒否し、第三者による調査を要求した。複数の理事から臨時理事会を求める意見が表明されるなか、茂木さんは「メッセージは舘野の捏造」と断定し、要求に応えなかった。


2020年10月6日に理事選挙の開票が行われ、新入会員を含む、これまで学会の活動に関わってこなかった(大会、例会に参加していない、あるいは紀要に原稿を書いていない)方が上位で当選したことが明らかになった。民俗芸能学会では、選挙の上位10名が理事になり、その他に、会の運営のため、当選者がさらに10名程度の会員を理事に選ぶという仕組みになっている。選挙の後に行なわれた当選者の話し合いで、これまで運営に積極的に関わってきた理事を外す決定がなされ、僕も今年度限りということになった。


民俗芸能学会では代表理事が理事会を要求することになっている。選挙をまたいで、理事21名中10名の連名で臨時理事会の開催を要求したが、三名の代表理事代行はそれに応じなかった。理事の意見を集約するために、2020年11月22日に「理事の会」を開催し、理事13名の承認を経て、代表理事代行を解任し、俵木悟さんを代表理事に選出することを決定した。解任された代表理事代行三名のうち、茂木栄さんと山路興造さんはこの決定を不服として、2020年12月31日に、俵木さんと事務局担当理事二名に対して、「法的根拠」の説明を求める通知を、弁護士を通じて送った。「通知」というと何ということはないが、要するに「訴えるぞ」という脅迫である。受け取った方によると届いたのはお正月とのこと。本人だけでなく、ご家族にも不安を与えたことだろう。


新年度からの民俗芸能学会は山路興造さんが代表理事になり、茂木栄さんもひきつづき理事をつとめるそうだ。僕は、仲間に対して、「捏造」と決めつけたり、脅迫したりする人間が研究組織の代表にふさわしいとは思えない。


ところで、茂木さんと山路さんは、僕やそれ以外の理事が新会員の入会を拒んだという話にしたいようだが、その事実はない。入会を希望する方なら誰でも歓迎で、選挙の直前に本人以外が会費を払って入会する(させる)という手続きを問題視してきた。あらぬ疑いを避けるためには、事前に理事会に説明する、入会手続きを選挙の後にするなど、いくらでもやり方はあったはずだ。それをしなかった、後から釈明もしなかったということは、選挙のために入会させる「加入戦術」であったと見られても仕方ないだろう。


2020年11月26日木曜日

オンライン地芝居サミット2020

オンライン地芝居サミットに出演します。
詳細や参加申し込みはPeatixのページをご覧ください。
どなたも無料で参加していただけます。

☆日程:12月20日(日)
☆時間:13時~17時
(配信中の出入り自由です。お好きなプログラムだけのご視聴も是非!)
☆料金:無料
☆視聴お申込み peatixのイベントページより
https://onlinejishibai2020.peatix.com/

●13時~
「口上 開演のことば『全国地芝居サミット』ってなんですか 
城井智子(全日本郷土芸能協会常務理事 ※全国地芝居連絡協議会副議長)
※全国地芝居連絡協議会(略称 全地連)
 
本イベント主催(公社)全日本郷土芸能協会に加盟する全国の地芝居団体や、関心を持つ個人によって構成。全国の地芝居関係者との交流を図り、地域社会における地芝居の保存振興と発展に寄与することを目的に平成10年に結成した。

●13時15分頃~
「日本の原風景 写真で巡る地芝居はじめて紀行」&「地芝居のまち」
山口清文(全国地芝居連絡協議会議長 写真家)
山本正実(埼玉県秩父郡小鹿野町 小鹿野歌舞伎保存会副会長) 

「町じゅうが役者」の埼玉県小鹿野町。江戸で修業を積んだ初代 坂東彦五郎が帰郷後、近所の若者に歌舞伎を教えたのが始まりで、山車型の「屋台歌舞伎」が大きな特長です。子ども歌舞伎、若手歌舞伎、女歌舞伎、さらには町民参加型の「入門教室」もあるというカブクのは当たり前な土地柄。

山口清文さんは新聞社を退職後に小鹿野町へ移住。在職中から小鹿野のみならず、全国各地の地芝居をファインダーにおさめてきました。とくに『日本地芝居写真紀行』は、今は見ることがかなわない地芝居の在りし日の姿も写した貴重な一冊。舞台裏の役者の表情やその土地の風景も含め、写真にみる地芝居の世界を伝えてくれます。

山本正実さんは、小鹿野町教育委員会社会教育課で、長らく公務員として小鹿野歌舞伎に関わってきました。自らツケ打ちも担当し「小鹿野歌舞伎の生き字引」とまで称される陰の立役者。実は、公務員が役者だったり、歌舞伎保存に関わる部署にいることは少なくありません。影の立役者から、近年自らも役者として舞台に立つようになりました。

今回の「写真で巡る地芝居はじめて紀行」は、この写真集をもとに、山口&山本のヤマヤマコンビでお送りします。
各地を実際に訪れたからこそ語れる、特色ある地芝居のお話しを楽しみましょう!

●14時10分頃~
「体験、地歌舞伎ガイドツアー!」

足立伊公子(地歌舞伎案内人&岐阜県恵那市東野歌舞伎保存会役者)

岐阜県は全国最多30を超える団体が活動する「地芝居王国」。ここでは「地歌舞伎」と称し、岐阜の宝物として大切にしています。
足立さんは、そんな地芝居王国の歌舞伎保存会の役者であり、バスツアー仕立てで観客を招き、バス道中から地芝居にまつわるあれこれのガイドをされている方。自らも舞台に立つ役者ならではの裏話も。単なる地芝居の楽しみ方解説に…とどまるはずがない。

●15時頃~
「親子で役者!教えて祇園座さん―子ども歌舞伎編―」
鎌田義美(香川県高松市 祇園座保存会)
鎌田紋妃(香川県高松市 祇園座保存会 子役 中学1年生)

香川県では、小豆島の農村舞台がある肥土山と中山、子どもたちが役者となる曳山系舞台の白鳥、そして高松市の祇園座の四つが活動しています。祇園座は高松市香川町東谷の平尾八幡神社に奉納され、江戸時代後期に、若者が徳島に藍染の出稼ぎに行きに習い覚えてきたのが始まり。地芝居の役者には「親子で役者」「三代で役者」も少なくなく、今回は、父も役者(兼会長、義太夫担当)、母も役者(兼事務局)、そして子役で看板娘さんという一家より、“父と娘コンビ”が出演。地芝居をつないでいくのは後継者。その子役自らが語るめったにない機会です。  

●16時15分~
「ここだけのはなし 地芝居あれこれ談義」
今回の登壇者勢揃い、主催の(公社)全日本郷土芸能協会と、企画の※地芝居ポータルも参戦し、『地芝居ここだけでね』、な裏話などなどを。ご鑑賞されている皆さまからのご質問も、お待ちしております。

※地芝居ポータルhttps://jishibaiportal.com/
インターネット上に、全国の地芝居に関する情報サイトを2011年に設立・運営している団体。

蒲池卓巳 

地芝居ポータル代表。愛知県名古屋市でお寺の住職を務める傍らで地芝居を追いかけている。追いかけるうちに役者となり、義太夫を習ったりとますます抜け出せなくなる。現在は育児のため地芝居は休業中。

北河直子

中野区立歴史民俗資料館学芸員。学生時代に中京地域の獅子芝居を追いかけ、同時に見始めた地芝居のおもしろさにハマる。地芝居で好きなのは、底意地の悪い女性役全般。

舘野太朗

民俗芸能学会理事。三十代半ばにして芸歴は20年をこえるベテラン役者であり(ただし、10年の中断期間あり)、世界で十指に入る地芝居の研究者(いま地芝居を研究している人は10人もいない)

令和二年度民俗芸能学会大会

民俗芸能学会の大会はオンラインで開催します。

僕はフォーラム第二部に出演します。

会員でなくても参加できます。詳しくは民俗芸能学会のホームページをご覧ください。 


令和2年度大会

 本年度はコロナ禍の影響のもと、会員の皆様の健康を第一と考え、下記の通りオンラインでの開催となりました。お手数をおかけすることになりますが、どうぞふるってご参加いただきますようご案内申し上げます。

開催日時 令和2年12月12日(土)午前 9:20 ~ 午後 5:10

プログラム
【開会挨拶】9:20 ~ 9:30
 民俗芸能学会代表理事代行  山路興造

【研究発表】 9:30 ~ 12:10
 近藤大知「遠山霜月祭の継承と『木沢霜月祭り野郎会』」
 大山晋吾「南九州の神楽における「金山」「宇治」舞の意味」
 矢嶋正幸「五行神楽と岩戸開き」
 福原敏男「「山・鉾・屋台」と山車」
 ※総合司会がオンライン発表・質疑応答についてアナウンスを行います。
 ※発表者・参加者ともにオンライン会議システム Zoom を使用します。

【本田安次賞授与式】13:20 ~ 13:30

【フォーラム「民俗芸能をつなぐ/民俗芸能研究をつなぐ」】
 〔第一部〕13:30 ~ 15:00 
  各地の会員をつなぐ―民俗芸能と研究の現況―
    聞き手:大石泰夫、髙久舞  話し手:各地の会員

 〔第二部〕15:30 ~ 17:00 
  民俗芸能のネットワーク組織と研究者―これまでとこれから―
    司会:舘野太朗
    コメンテーター:久保田裕道
    パネリスト:南信州民俗芸能継承推進協議会・小川直之
    神奈川県民俗芸能保存協会・大谷津早苗
    山形県の事例・菊地和博
 ※登壇者は Zoom を使用します。参加者は Youtube Live で視聴します。
 ※フォーラムのアーカイブ動画を大会終了後に学会ホームぺージで期間限定公開します。


【閉会挨拶】17:00 ~ 17:10 
 大会実行委員会委員長  大石泰夫

お申し込み方法
お申込み締切:12月4日(金)
参加申込フォームまたは葉書をご用意いただきお申込みください。

※葉書でのお申込みの場合、①氏名 ②メールアドレスをご記入のうえ「民俗芸能学会 大会実行委員会」(〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1丁目6−1 早稲田大学演劇博物館内)までご郵送ください。
※研究発表・フォーラムの当日資料は原則としてお申込みいただいたメールアドレスにお送りいたします。紙媒体で郵送をご希望の方はお申し込み時にその旨を明記してください(会員のみ)。

参加費
会員:無料  非会員:500円
※非会員でお申込みされた方に振替用紙をお送りいたします。入金が確認され次第メールで当日資料をお送りいたします。

オンライン大会にあたりご留意・ご協力いただきたい事項
 お申込み時にいただいたメールアドレスに ① Zoom のミーティング情報(URL、ID、パスコード) ② Youtube LiveのURL ③当日資料 ④その他 について 12 月 10 日(木)にお送りします。なお、郵送をご希望の場合、お届け日が前後する場合がございます。オンライン会議システム Zoom の使い方については「Zoom ヘルプセンター」に掲載されている紹介ビデオなどをご参照ください。
※Google Chrome、Firefox、Microsoft Edge の利用が推奨されます。


発表資料等の取扱いに関する注意
 発表要旨、オンラインで使用するスライドや動画、配布資料等の著作権は発表者に帰属します。断りのない再配布、二次利用は禁止とします。また、オンラインによる学会発表は、著作権法上の「公衆送信」(自動公衆送信による再送信)に相当すると考えられます。発表者は使用するスライドや動画に著作権侵害がないことをご確認ください。


本田安次賞授与式
 コロナウイルス禍の中、令和2年度の通常形態での大会・総会は中止となりましたが、オンライン大会を開催することとなりました。例年総会の前に本田安次賞の授賞式を執り行なって参りました。本年度につきましては、異例のことではありますが、オンライン大会の中で、本田安次賞授与式の動画を配信することとなりました。

※公開期間:12月12 日(土)~12 月 19 日(土)


お問い合わせ 
 電話またはメールで学会事務局までお問い合わせください。

※【会員の皆様へ】お送りした案内の「本田安次賞授与式」動画について誤ったQRコードでお送りしてしまいました。12月10日(木)にお送りする当日資料にて訂正させていただきます。

民俗芸能学会令和2年度オンライン大会実行委員会
大石泰夫(委員長) 伊藤純、小川直之、神田竜浩、高久舞、舘野太朗

2020年7月17日金曜日

『歌舞伎 研究と批評』65


論文出ました!素人芝居特集です!すごいです!
舘野太朗「平成地芝居の三十年」『歌舞伎 研究と批評』65、2020年7月。
雄山閣のサイトからどなたでもお求めになれます。

2019年9月30日月曜日

2019年度日本演劇学会研究集会

日本演劇学会の研究集会でパネル発表をします。

2019年度 日本演劇学会 研究集会
テーマ:「演劇と風土」
◆日時:2019年10月5日(土)‐6日(日
◆会場:西和賀町文化創造館 銀河ホール・ぶどう座稽古場
〒029-5511岩手県和賀郡西和賀町上野々39地割195番地2(JR北上線「ほっとゆだ駅」から徒歩4分
◆研究集会参加費:1500円
詳細はこちらから。
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地域演劇の新しい動き―伝統芸能と市民演劇のあわい
 舘野太朗(民俗芸能学会)
 畑中小百合(大阪大学)
 日比野啓(成蹊大学)
 本橋哲也(東京経済大学)
要旨
 地域コミュニティを基盤として上演される地域演劇では、さまざまな様式が採用されている。それぞれの地域の抱える事情、担い手のアイデアなどによって独特のスタイルが形成されることもある。本発表では、伝統芸能の影響を受けたふたつの地域演劇を取り上げる。
 島根県、広島県では、伝統的な神楽の様式やストーリーを基礎としながらも、スモークや電飾を積極的に取り入れた「スーパー神楽」が人気を博している。上演の機会は祭礼に限らず、各種のイベントへの出演のほか、神楽ドーム(広島県)、舞乃座(島根県)、石見神楽なにわ館(大阪府)といった常設の公演施設もつくられている。また、神楽を演じる部活動のある高校が複数存在し、2011年からは神楽ドームで「神楽甲子園」という競演大会も開かれている。
 沖縄県では、1999年に勝連町(現うるま市)で初演された「肝高の阿麻和利」をきっかけに、「現代版組踊」の上演が県内・県外各地に広がっている。現代版組踊は、各拠点地域の伝説や歴史を題材とした諸作品で、中高生を中心とする青少年によって演じられる。古典芸能の組踊との直接的な関連は薄いものの、音楽、舞踊、台詞の三要素からなる様式を組踊から継承したとしている。
 スーパー神楽と現代版組踊、それぞれの様式における伝統性と現代性、作品が描く地域とその歴史のあり方を比較検討する。

2019年8月15日木曜日

突然座談会-3

【緊急開催】2019上半期の上演を振り返る(突然座談会-3)

スピーカー:舘野太朗、羽鳥嘉郎(けのび)、良知暁
コメント:関美能留(三条会)
司会:向坂達矢

日時:8/17[土] 19:30-
会場:手当(墨田区亀沢3-12-7)
入場料:¥1000+1drink

お盆、未だ知らぬ演劇の領野に踏み出してみませんか。
スピーカーが2019年の上半期に観劇した公演を、資料とともに振り返り、ざっくばらんに語り合います。

取りあげる上演:
赤門塾演劇祭、OiBokkeShi『ポータブルトイレットシアター』、ラビア・ムルエ『歓喜の歌』、たんぽぽの家『だんだんたんぼに夜明かしカエル』、秋の嵐『さよなら、ヒロヒト』、川崎郷土・市民劇『日本民家園ものがたり』、「演劇台本作成A.I.」、春風ひとみ『壁の中の妖精』、劇団東演『まだ今日のほうが!』、劇団ダンサーズ『動員挿話』、たつみ演劇BOX「仙太郎纏」、立教大学映像身体学科 羽鳥ゼミ『革命女性』、アリの街実行委員会×自由の翼『風の使者ゼノ』、兵庫県劇団協議会『大正七年の長い夏』、ほか

詳細はリンクを参照ください。

2019年6月12日水曜日

『ぼくらのハムレットができるまで』 上映会+関係者座談会

「日本の地域素人演劇の包括的研究」の関連企画として、ドキュメンタリー映画の上映会と関係者の座談会を開催します。座談会終了後に地域演劇の調査報告会も行います。参加無料・申込不要です。お気軽にご来場ください。



山本良子監督『ぼくらのハムレットができるまで』(2004年・46分)の上映会と、山本監督と赤門塾の創立者で哲学者の長谷川宏氏、現塾長・長谷川優氏のお三方を迎えての座談会です。

ヘーゲルの研究・翻訳で名高い長谷川宏氏は、地元・所沢で小・中学生を対象とする学習塾・赤門塾を開いて50年近く、毎年3月にその教室を会場に演劇祭を行ってきました。出演するのは塾生とそのOB・OGで、なかには十数年にわたって出演してきた人もいます。
学習塾で行われる演劇祭に興味を持った山本監督が撮影したドキュメンタリー「ぼくらのハムレットができるまで」を観た後、学校以外の教育現場における演劇上演の意義と可能性について3人からお話を伺います。

日時 2019年6月22日(土) 13:00~16:00
場所 成蹊大学4号館ホール
登壇者
 山本 良子(監督)
 長谷川 宏(赤門塾創立者、哲学者)
 長谷川 優(赤門塾塾長)
 司会:片山幹生(早稲田大学)
受講無料
申込不要

詳細は成蹊大学のホームページをご覧ください。

2019年5月5日日曜日

藝術学関連学会連合 第14回公開シンポジウム

藝術関連学会連合の公開シンポジウムに参加します。
詳細は藝術関連学会連合のページをご覧ください。

藝術学関連学会連合
日本学術会議 協力学術研究団体
第14回公開シンポジウム
アマチュアの領分
過去・現在・未来



2019年6月8日(土)13:00-17:00
国立国際美術館 大阪府大阪市北区中之島4 -2-55
主催:藝術学関連学会連合

プログラム
13:00  開会の言葉 藤田治彦|藝術学関連学会連合会長
     共催者挨拶 山梨俊夫|国立国際美術館館長
     全体の趣旨 鈴木禎宏|意匠学会|お茶の水女子大学
第1部 アマチュアの歴史  13:20-14:40
歴史においてアマチュアが果たしてきた役割について考えます。異なる芸術分野ごとの事情の違いに気づくとともに、歴史においてアマチュアがいかなる存在であったのかについて理解を深めます。

13:25 照らされたドメスティック・クラフツ
山﨑稔惠|服飾美学会|関東学院大学
13:40 農民美術におけるアマチュアの性質
石川義宗|日本デザイン学会|長野大学
13:55 〈芸術家〉になれなかった山下清
服部 正|美術史学会|甲南大学
第2部 アマチュアの現在  15:00-16:20
アマチュアをどう養成していくか、アマチュアはどう発生するか、プロ-アマの構図をどう見直していくのかといった問題点について議論します。各芸術分野がいま現在かかえている問題について比較検討をおこないます。

15:05 地芝居に見る〈アマチュアの領分〉
舘野太朗|日本演劇学会|横浜いずみ歌舞伎保存会
15:20 ポップカルチャーから見る〈よさこい系〉
秋庭史典|美学会|名古屋大学
15:35 プロ/アマの境界のシフトと社会的認知のズレ
神野真吾|美術科教育学会|千葉大学
第3部 アマチュアの未来  16:30-17:30
専門家集団である学会はアマチュアについて真剣に語ってきたでしょうか。現実においてプロはどれほどアマチュアと区別されるのでしょうか。芸術文化の根本にかかわる問題に切り込み、未来の芸術文化の担い手について考えます。

17:25 閉会の言葉 貫成人|藝術学関連学会連合副会長|専修大学
17:30 終了

地芝居に見る〈アマチュアの領分〉
舘野太朗|日本演劇学会|横浜いずみ歌舞伎保存会
歌舞伎は都市部のみならず、村落部においても村芝居として享受されてきた。村芝居は一座を買ってくる買芝居(かいしばい)と、素人の住民がみずから演じる地芝居(じしばい)にわけることができる。地芝居であっても、振付(演出)や音楽の演奏には、専門技術をもつ「プロ」が関わっていることが多い。「プロ」が担っている役割から、地芝居における「アマチュアの領分」を明らかにしたい。

民俗芸能学会第174回研究例会

民俗芸能学会第174回研究例会
「由來八幡宮姫之飯神事の検討」
発表者:小島美子、上西律子、茂木栄
司会:舘野太朗
日時:令和元年5月25日(土)14:00~
場所:早稲田大学演劇博物館レクチャールーム(6号館3階)
※参加費200円(会員でない方も参加できます)
要旨:
 由來八幡宮は島根県出雲地方の最西南端、中国山地にさしかかった所の飯南町頓原にあり、『出雲國風土記』には田倍社の名で記されている。毎年11月7日に姫之飯神事という祭が行なわれる。拝殿の中に設けられた舞殿の前面に、小さな俵2個を1組にしたものが3組並べられ、その上に白幣をたて、根つきの稲を4杷ずつ置く。禰宜が巫女の姿で登場し、再拝拍手した後、長い担(にな)い竹をとって四方に舞う。担い竹の両側に小俵の上の12杷の稲束をかけ、両手で持って舞う。正面の案(机)の下に置いた火吹竹などを持って舞い、案の上に置いてあった玄米を蒸したり餅をつくなどの仕ぐさをし、中から餅をとり出して正面や前面の小俵の上に置く。小俵の上の幣を取り、両手にもって舞って終わる。
 この前に御旅所往復などのはなやかな神幸行列などもあり、翌日には次の頭(とう)屋(や)を決める頭渡し神事が行なわれる。
 この姫之飯神事より早く10月の中頃に、その年の頭屋の田で稲刈を行ない、神事を行なった後、刈った稲を乾燥し脱穀し、それを姫之飯神事の前面に置いた3組の小俵に詰めておく。ただ12杷の稲だけは、担い竹にかけるために残し、他は神饌に充てる。
 さらにその前に注連おろしという儀式があり、田に1間四方の四隅に笹竹を立て、その正面に案を置きその上に御霊代宮という小さな宮を置いて神事を行なう。この神事では降神はするが、昇神はやらない。つまりこの小宮は稲霊を祀っているのである。
 また姫之飯神事で重要なのは、古くから伝えられてきた神饌で、玄御供(玄米の小豆飯)、里芋、ヤグサ餅(蚕に似せて作った餅)の3種を必ず一の膳として供えることである。これらは水田稲作が行なわれる前の稲作以前のものを大切に祭りつづけているということである。それをつづけられたのは、一つは中央から遠く圧力がかかり難かったということが考えられるが、もう一つはそれを支える頭屋制がしっかりしていたことであろう。
 この地の米は大国主命によって広められたと伝承されている。蚕もあり、そして里芋は南方に起源をもつ。この神事は複数の文化の複合の証左として考えられる。
「姫之飯神事」の本義を稲、儀礼、音楽、祭具類から検討したい。


2019年3月12日火曜日

『都市民俗研究』24


論文出ました。
昨年のシンポジウムの内容をまとめたものです。
舘野太朗「民俗藝能の大正―民衆藝術・ページェント・郷土舞踊―」『都市民俗研究』24、2019年2月。

2019年1月17日木曜日

芸能文化研究会第12回研究会

芸能文化研究会で報告します。
芸能文化研究会のブログはこちら


第12回研究会を下記の通り開催いたします。

日時: 2019年3月9日(土)14:00~
於 :早稲田大学戸山キャンパス39号館4階 第4会議室
   (新宿区 戸山1−24−1)

報告1:舘野太朗
「笹原亮二「ある民俗芸能家の肖像―永田衡吉の仕事を巡って―」を読む」
 笹原亮二「ある民俗芸能家の肖像―永田衡吉の仕事を巡って―」は、民俗芸能研究の会/第一民俗芸能学会(以後、「第一」と表記する)で行われた報告をもとに、『藤沢市史研究』25(1992年)に発表された論文である。のちに笹原亮二『三匹獅子舞の研究』(2003年、思文閣出版)にも収録されている。永田衡吉(1893~1990)は、劇作家として活動するかたわら、小寺融吉とともに「民俗藝術の会」の幹事を務めるなど、草創期から民俗藝能の研究と実践に関わってきた。太平洋戦争後の民俗藝能研究をリードした本田安次(1906~2001)よりもひとまわり年長であり、生涯、劇作家を名乗り続けた永田は、「正しい民俗芸能研究」の確立を目指した「第一」からすると、格好の標的であったのかもしれない。本報告では、民俗藝能の実践に着目して、笹原による永田批判の再検討を行いたい。

報告2:小林敦子(明治大学アジア太平洋パフォーミングアーツ研究所)
「観光化されなかった「阿波おどり」-「津田の盆踊り」の位置づけの変遷―」
 「阿波おどり」は、徳島市中(城下町)の盆踊りに昭和初期からの観光政策によりつけられた呼称である。元来は盆の時期になると老若男女が様々な集団を組み、にぎやかなお囃子に合わせ踊りながら通りを練り歩く形式であった。徳島県内の吉野川に沿った地域にも、徳島市中の盆踊りと同様の盆踊りが行われていた。「阿波おどり」は観光政策により観客に見せるショウとなり、即興的な自由な踊りから、「女踊り」および「男踊り」という様式が確立し、踊りの動作を揃え、様々なフォーメーションを組む群舞となった。吉野川地域の盆踊りも、また戦後に全国約60カ所で取り入れられた「阿波おどり」祭りでも、市中の「阿波おどり」が手本とされている。
 この中で徳島市東部沿岸の津田地区の「盆(ぼに)踊り」(注:「ぼに」は方言)は特異的で あり、市中の盆踊りの観光化に追随することなく、戦後も機知に富んだ唄と自由な踊りが伝承されていた。しかし津田地区の住民も次第に市中の華やかな「阿波おどり」に参加するようになり、昭和40年代には衰退した。その後民俗芸能保存政策の潮流により昭和61年に保存会が結成され、津田地区を中心に盆の時期だけではなく各種イベントで公演を行っている。保存会の結成時には津田地区の風習を基に海難事故で亡くなった人の霊を呼ぶ儀式が構成され、踊りの前にはこの儀式が行われており、「津田の盆踊り」は精霊踊りと位置付けられ、ショウ化した「阿波おどり」で失われた信仰を保持していると表象されている。本発表では「阿波おどり」の変容に伴う「津田の盆踊り」の位置づけの変遷をたどり、民俗芸能の機能について考える。

議論への積極的な参加を歓迎します。
事前に以下のアドレスまでメールをいただけると幸いです。
geinoubunka〇gmail.com(〇を@に変えてください)

2019年1月7日月曜日

名古屋の歌舞伎系劇団

スーパー一座(1979~2008)
 主宰:岩田信市・原智彦
 指導者:市川升十郎

名古屋むすめ歌舞伎(1983~)
 主宰:市川櫻香
 指導者:市川梅香、十二代目市川團十郎

南山歌舞伎(2005~2016)
 主宰:安田文吉
 指導者:中村熊昇

名古屋こども歌舞伎(2009~)
 主宰:安田文吉
 指導者:中村熊昇

ハラプロジェクト・パンク歌舞伎(2010~)
 主宰:原智彦

東海学園歌舞伎(2017~)
 主宰:安田文吉
 指導者:中村熊昇

2018年12月25日火曜日

スーパー一座と市川升十郎、地芝居。

スーパー一座が市川升十郎の指導を仰いでいた、という話。市川升十郎は、市川少女歌舞伎劇団の指導者として知られる。劇団が商業公演を撤退したのちは、劇団員とともに中部地方を中心に地芝居の師匠として活動していた。スーパー一座成立には、誰にでも歌舞伎を教えてくれる升十郎のような存在が重要だったのではないか。スーパー一座から地芝居の竹本が出たという記述も、同時代演劇と伝統演劇の繋がり方として注目に値する。以下引用。

岩田信市「ロック歌舞伎と大須オペラ」(『自然と文化』77、2005年1月) 
 手短かに述べた上記のような一座の歴史から、もうお解りかと思うが、我々の求めていたのは伝統の破壊ではなく、むしろ伝統の復活である。ただ、形骸化した様式にとらわれない、というだけのことだ。セリフも台本も自由にいじるが、決してパロディ風に現代化したり、流行のアングラ芝居風にアチャラカにふざけたりはしない。あくまでもオーソドックスである。演技も一座結成以来、かつての少女歌舞伎の指導者、市川升十郎師に型の指導を受け、今でも年一本ずつ、義太夫狂言の指導をあおいでいる。役者の基礎訓練として始めた義太夫節の練習の中から育った竹本団勇は、今ではこの地方で盛んな農村歌舞伎の太夫として、引っぱりだこの欠かせない存在となっている。

岩田信市、大須新歌舞伎座を語る。

岩田信市(1935-2017)は、1960年代に名古屋を中心に活動した前衛藝術集団「ゼロ次元」の中心メンバーとして知られる。1979年に「ロック歌舞伎スーパー一座」を結成し、2008年まで大須演芸場で「吉例師走歌舞伎」を上演する。「スーパー一座」の原点には大須新歌舞伎座で見た小芝居の記憶があったらしい。以下引用。

岩田信市「ロック歌舞伎と大須オペラ」(『自然と文化』77、2005年1月)
 今でこそ歌舞伎は完全に様式化、古典化されているけど、私が歌舞伎に興味を持った戦後間もない頃はまだまだ歌舞伎も生きていて、盛んに新作が上演されたり、忠義や義理人情の中に新しい解釈が注入されたりして、どちらかというと、思想的、リアリズム的方向が追求されていた時代だ。
 「様式美にたよる方向こそが歌舞伎をだめにする」といわれている時代に「様式美こそが歌舞伎だ」という岸田劉生の『歌舞伎美論』を読んで我が意を得たりと大いに感動した。世の中はこの本をまるで否定していた。戦後、すべての文化がアメリカナイズされた中で劉生の東洋美に目覚めた少年の僕は、そのことが納得できず、デロリとした美に憧れていたものだ。
 ところが、その憧れの歌舞伎が、名古屋の下町、大須にあった。昭和二十七年、僕の家の裏に生まれた新歌舞伎座である。当時としても、もう珍しい歌舞伎主体の小屋で、いわゆる小芝居が常打ちされていた。嵐三五郎、関三十郎などという、今は消えてしまったが、江戸時代の大名題の役者が主で若い頃の先代の鴈治郎と共演していた片岡秀郎などという役者は評判であった。「錣引」とか「切られお富」なんぞという珍しい演し物の、ぞくっとするような退廃美に惹かれ、これぞ本当の伝統の江戸歌舞伎だと思った。当時、小芝居唯一の残党として東京の「かたばみ座」が有名であったが、比べてみて、僕は、はるかに三五郎一座の方が素晴らしかったと思っている。しかし、この反現代的歌舞伎一座も、その小屋も、結局時代に抗することはできずに何年か続いた後につぶれてしまったのだが、僕の中には、この時の歌舞伎のイメージが、強く焼きついていて、明るく、華やかなだけでこくのない昭和歌舞伎についてゆくことができず、結局歌舞伎は見なくなってしまった。

2018年12月23日日曜日

ハラプロジェクト『パンク歌舞伎・地獄極楽』


ハラプロジェクト『パンク歌舞伎・地獄極楽』

日時:2018年12月21日~24日(21日19時開演を観劇)
会場:名古屋能楽堂

演出:原智彦
脚本:岩田信市「平家女護ヶ島」
原作:近松門左衛門「平家女護ヶ島」

音楽:TURTLE ISLAND、切腹ピストルズ

10月に国立劇場で芝翫が通し上演を手がけたときと同様に、主宰の原智彦が清盛と俊寛を兼ねる。特に俊寛は原のニンにぴったり。予想以上に歌舞伎のにおいが濃厚で、男性役はせりふを歌舞伎の息で大時代にうたう。対して、女性役は新劇的なせりふまわしでリズムと世界を壊してしまう。千鳥を演じた藤井朋子は例外的に歌舞伎になっていた。女性だから歌舞伎の女方のせりふができないということはない。各地の地芝居、学生歌舞伎、あるいは女流義太夫には、達者に女方を演じる女性がたくさんいる。また、女性役が白塗りやかつらを使わないので、役柄が判然としない。

劇伴のタートルアイランドは歌舞伎の役割で言うと黒御簾であり、浄瑠璃ではなかった。語りもの系の音楽ではないので、義太夫狂言的な音楽劇の快楽に欠けており、基本的にはせりふ劇で運んでいく。例えば、タートルとは別に浄瑠璃として浪曲師やラッパーが入ればもっといいと思う。切腹ピストルズはこのまえの「幽玄」の鼓童のような感じで、演奏と演技を兼ねる。

ツケは最初、揚幕の奥で打っていて非常に違和感あったが、途中から上手に移動して安心した。歌舞伎の息で打つので、見得で声をかけたくなる。今度見るときには声をかけよう。ツケ打ちは頭巾かぶってたが、顔出しでもよいのでは。柝は使わなかった。これはわざとかもしれない。

タテは歌舞伎の語彙で処理しているので、美しいし、安心して見れた。

パンク歌舞伎といっても、タートルアイランドはパンク成分薄め。途中、メセニーみたくなってたし。では、何がパンクかと言うと、歌舞伎を好き勝手にぶんまわす原さんがパンクなのではないかと思った。僕らは歌舞伎出ていても基本的には習ったことをそのままやるように頑張るわけで、ひとりで何かができるわけではない。いまはそれはそれで楽しいのだけど、中高生の頃はそれが負い目だった。その時分に、大須歌舞伎を見ていたらはまっただろう。そういう面でパンクロックに通じる初期衝動を感じた。花組芝居や木ノ下歌舞伎など、歌舞伎をベースにした劇団は他にもあるが、本流の歌舞伎に対する遠慮から知的な処理を施す。ハラプロジェクトは歌舞伎を暴力的に遊び倒す感じがある。こういうものは名古屋だから成立するのではないかと思った。