2015年8月23日日曜日

芸能文化研究会第三回研究会

芸能文化研究会第三回研究会のお知らせです。
これで、立ち上げメンバー6人の発表が一巡します。

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日時:9月12日(土) 14時~
場所:成城大学3号館7階ラウンジ
   (東京都世田谷区成城6-1-20)
発表者:伊藤純(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)・田村明子(成城大学大学院)

























【要旨】
伊藤純(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)
「民俗芸能の文化資源化と自律的伝承―三宅島の牛頭天王祭の太鼓を事例にして―」
 伊豆諸島の一つ三宅島。島には「神着木遣太鼓」という芸能が伝えられている。和太鼓に興味がある人ならば、三宅島と太鼓というワードで、佐渡を拠点とし世界に活動を広げる太鼓集団・鼓童の「三宅」という演目を想起する人も多いだろう。単純化すれば、三宅島の民俗的身体文化の一つであった牛頭天王祭の「太鼓」を素材として、鼓童が舞台芸術化して創出されたものが「三宅」という演目といえる。そして、現在では鼓童のみならず国内外で広く叩かれる和太鼓の代表的な演目の一つになっている。
 祭の構成要素の一つにすぎなかった「太鼓」とその技術は、島内では文化財指定を機に命名された「神着木遣太鼓」として定着し、島外では「三宅」として人々の手に広がっている。こうした文化資源化の過程で、さまざまな位相の芸能のネットワークが構築され、現在の祭に少なからず影響を与えている。本発表では、昭和45年の保存会発足以来、「神着木遣太鼓」の名手として知られるメンバーの語りをもとに、およそ50年のテンノウサマの変化をみる。我彼の関わりのなかで生じた舞台化への抵抗感、技術の巧拙、地域社会への新たな芸能のネットワークの受け入れ、祭での振る舞い、人口流出など当事者が当たり前に抱える課題への葛藤と克服のなかから、祭と民俗芸能がどのように自律性を担保しているかに注目して考察する。

田村明子(成城大学大学院)
「神楽の伝え方と見せ方―稽古の在り方を通して―」
 民俗芸能は稽古によって継承が行われる。この稽古の場や方法は、各々の民俗芸能や地域によって異なり、伝承上では相関関係が認められる民俗芸能であっても、双方の稽古の在り様まで同じであるとは限らない。このような稽古の相違は、民俗芸能の奉納や上演に多かれ少なかれ影響を与えると考えられる。あるいは逆に、奉納や上演の在り様がそれぞれの稽古を形作っているとも考えられる。
 本発表では、現在も関東で伝承される採物神楽のいくつかを対象とし、その稽古の在り方に着目する。埼玉県には、いくつかの著名な採物神楽が伝承されている。それぞれが神社に所属し、基本的には神社の例祭で奉納される。鷲宮神社で伝承される土師一流催馬楽神楽は、神楽殿と参集所の二か所で稽古が行われる。それぞれの場所で行われる稽古の参加者は異なっており、稽古の方法にも差異がある。参加者の差異は催馬楽神楽の歴史、また教育機関や自治体などの外部組織との関係に由来しており、そしてこの差異が、それぞれの稽古の方法にも違いを生じさせている。一方、東京都内に拠点を置く採物神楽は、埼玉県内の神楽とは様相を異にしている。新宿を拠点として、都内の複数の神社で神楽奉納を行っている萩原彦太郎社中は、区営の市民センターや神楽師の自宅で稽古を行う。これは、萩原彦太郎社中が特定の神社に所属する神楽師集団ではないためである。
 催馬楽神楽や埼玉県内のいくつかの神楽は、それぞれ独立して稽古を行っているが、萩原彦太郎社中は神楽師集団である若山社中から招いた神楽師を師匠とし、全員が一人の師から教わるという形式での稽古を行っている。このような形式は、萩原彦太郎社中と若山社中が、集団としては兄弟的な関係にあたること、また奉納にあたっては互いに連携を取り合っているという事情とも関わっている。必然的に、萩原彦太郎社中と若山社中の神楽には共通点が生まれる。他方、催馬楽神楽を始めとする埼玉県内の神楽保存会は、交流は皆無に等しい。それぞれの神楽保存会が独立していると言うことができる。
 本発表では、各神楽の稽古を通して、神楽あるいは担い手である神楽師が何を伝え、何を見せようとしているのかについて検討を行う。これによって、現代社会における神楽の継承の在り方が見えてくるものと考えられる。

2015年7月1日水曜日

芸能文化研究会第二回研究会

芸能文化研究会第二回研究会のお知らせです。
僕は松岡さんの発表でコメンテーターをつとめる予定です。

日時:7月16日(木) 16時~
場所:早稲田大学人間総合研究センター分室(27-8号館)高田牧舎2階
    新宿区戸塚町1-101
発表者:鈴木昂太(総合研究大学院大学)・松岡薫(筑波大学大学院/中央大学校)

要旨
●鈴木昂太「民俗学は神楽をどのように論じたか―牛尾三千夫による「祖霊加入の儀式」論をめぐって―」
 中国地方の神楽と田植習俗の偉大な研究者であり、自らも大元神楽の執行する神職であった牛尾三千夫(1907~1986)。彼の神楽論として著名であり、後世の研究に大きな影響を与えたものが、広島県庄原市東城町・西城町の神職と神楽団に伝承される比婆荒神神楽を「祖霊加入の儀式」と捉える論である。本報告では、牛尾の祖霊信仰としての神楽論を民俗学の研究史のなかに位置づけ、その内実を検証し、彼の研究方法の問題を明らかにする試みを行う。
 具体的には、まず、柳田をはじめとする民俗学が作りあげた祖霊信仰論を、農政・村落組織(家・同族・名)・氏神論の観点から整理し、祖霊と同族概念に関する問題を指摘する。続いて、問題を抱えた祖霊信仰論が牛尾によってどのように比婆荒神神楽に投射されたのかを確認し、その後の研究のなかでどうやって補強され、結果として現地の伝承にどんな影響を与えたのかを検証していく。この作業を通して、民俗学が民俗芸能・神楽をどのように捉えてきたのかを提示し、民俗芸能研究における研究方法の問題を提起していきたい。

●松岡薫「俄を演じる人々―熊本県阿蘇郡高森町の風鎮祭を事例に―」
 民俗芸能研究において、「誰がその芸能を演じるのか」という問いは、重要な関心事の1つである。
 熊本県阿蘇郡高森町の風鎮祭では、「向上会」と呼ばれる青年組織に加入する青年たちによって毎年俄が演じられる。向上会は、大正15(1926)年に、既存の青年団とは異なるものとして新たに組織された。戦後に青年団が解体された後は、向上会が青年団の活動も引き継ぐようにになったが、それ以前には、両者の活動は明確に区分されていた。現在の向上会には厳格な入会規定はなく、高森在住の青年であれば誰でも入会できる。その一方で、住民に対し、入会への強制力も働かないため、入会者の減少で組織運営が困難になってきている町内も存在している。つまり、現在の向上会は、青年であれば、誰でも入会できるが、誰しもが入会するわけではないのである。更に、向上会の構成員をみてみると、ある事情を抱えて入会している者の存在に気付く。
 本報告では、向上会という組織がいかなる組織なのか、歴史的経緯にも触れながら整理する。そして、向上会に所属する彼らが、祭礼のなかで俄を演じるということに、どのような意味が付与されているのか考察してみたい。

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2015年6月8日月曜日

2015年度日本演劇学会全国大会  テーマ:演劇と公共性

日本演劇学会の全国大会に出演します。

日程:2015年6月20日(土)~21日(日)
会場:桜美林大学 町田キャンパス

日時:6月20日10:40~
会場:A507
パネルセッション
『モダン・パジェントの国際的展開と変容』
 日比野 啓(成蹊大学)
 舘野 太朗
 松田 智穂子(専修大学)
 吉野 亜矢子(ロンドン大学教育研究所)

詳細は日本演劇学会ホームページにて。

2015年4月1日水曜日

芸能文化研究会第一回研究会

芸能文化研究会第一回研究会のお知らせです。

日時:2015年5月24日(日)14時00分~
会場:早稲田大学人間総合研究センター分室(27-8号館)
   (東京都新宿区戸塚町1-101 高田牧舎2F)

【発表1】
 「“ページェント”から“郷土舞踊と民謡の会”へ―大正時代の小寺融吉―」
 舘野 太朗

【発表2】
 「近世村落に継承された武の近・現代史」
 田邊 元(早稲田大学スポーツ科学学術院 助手)

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2015年2月12日木曜日

守美雄聞き書き(日本近代演劇デジタル・オーラル・ヒストリー・アーカイブ)

2014年9月に参加したインタビューが公開されました。
取材対象者は守美雄さん。
東京新聞の記者を経て、「かたばみ座」の経営を手がけていた方です。
戦前の寿座、戦後のかたばみ座など、東京の小芝居を中心にお話しを伺いました。

守美雄聞き書き(日本近代演劇デジタル・オーラル・ヒストリー・アーカイブ)

2015年1月17日土曜日

市川女優座制作『阿波の鳴門巡礼歌』

早稲田大学演劇博物館所蔵の市川少女歌舞伎の映像について。

歌舞伎劇シリーズ
市川女優座制作(市川少女歌舞伎改メ)
阿波の鳴門巡礼歌

製作 御荘金吾 中村大四郎
脚本 御荘金吾
演出 市川升十郎 河野秋和
撮影 前田実
録音 安恵重遠
編集 河野秋和
照明 永沢和男
美術 大阪舞台製作所
義太夫 竹本文春太夫
三味線 鶴沢新二
お囃子 市川女優座音調部
衣装 松竹衣装K.K
小道具 藤浪小道具K.K

阿波十郎兵ヱ 市川美寿次
その妻お弓 市川梅香
その娘お鶴 市川いつ子
赤間大膳 市川福升
長屋の女お源 市川梅升
長屋の女お六 市川小牡丹
岡倉小十郎 市川寿々女
茶坊主 市川峰子
丁稚長松 市川恵美子
茶屋娘お光 市川恵理子

16mmフィルムからHi8に変換。白黒。27分。
制作年は不明だが、1960年3月に新宿第一劇場で「市川少女歌舞伎改め市川女優座披露興行」をしていることから、それ以降であると考えられる。
作品は、単なる舞台の撮影ではなく、カメラが切り替わったり、十郎兵衛の回想シーンが挿入されたりする。役者の顔がかなりアップになる。客席や花道がいっさい写らないことから、スタジオで収録されたものではないか。映画に近いつくりであるが、役者の拵えや演技はかぶきそのままである。
いかなる目的で制作され、どうして演劇博物館に収蔵されることになったのかは不明であるが、市川少女歌舞伎の演技を知る手がかりとして重要であろう。