2019年9月30日月曜日

2019年度日本演劇学会研究集会

日本演劇学会の研究集会でパネル発表をします。

2019年度 日本演劇学会 研究集会
テーマ:「演劇と風土」
◆日時:2019年10月5日(土)‐6日(日
◆会場:西和賀町文化創造館 銀河ホール・ぶどう座稽古場
〒029-5511岩手県和賀郡西和賀町上野々39地割195番地2(JR北上線「ほっとゆだ駅」から徒歩4分
◆研究集会参加費:1500円
詳細はこちらから。
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地域演劇の新しい動き―伝統芸能と市民演劇のあわい
 舘野太朗(民俗芸能学会)
 畑中小百合(大阪大学)
 日比野啓(成蹊大学)
 本橋哲也(東京経済大学)
要旨
 地域コミュニティを基盤として上演される地域演劇では、さまざまな様式が採用されている。それぞれの地域の抱える事情、担い手のアイデアなどによって独特のスタイルが形成されることもある。本発表では、伝統芸能の影響を受けたふたつの地域演劇を取り上げる。
 島根県、広島県では、伝統的な神楽の様式やストーリーを基礎としながらも、スモークや電飾を積極的に取り入れた「スーパー神楽」が人気を博している。上演の機会は祭礼に限らず、各種のイベントへの出演のほか、神楽ドーム(広島県)、舞乃座(島根県)、石見神楽なにわ館(大阪府)といった常設の公演施設もつくられている。また、神楽を演じる部活動のある高校が複数存在し、2011年からは神楽ドームで「神楽甲子園」という競演大会も開かれている。
 沖縄県では、1999年に勝連町(現うるま市)で初演された「肝高の阿麻和利」をきっかけに、「現代版組踊」の上演が県内・県外各地に広がっている。現代版組踊は、各拠点地域の伝説や歴史を題材とした諸作品で、中高生を中心とする青少年によって演じられる。古典芸能の組踊との直接的な関連は薄いものの、音楽、舞踊、台詞の三要素からなる様式を組踊から継承したとしている。
 スーパー神楽と現代版組踊、それぞれの様式における伝統性と現代性、作品が描く地域とその歴史のあり方を比較検討する。

2019年8月15日木曜日

突然座談会-3

【緊急開催】2019上半期の上演を振り返る(突然座談会-3)

スピーカー:舘野太朗、羽鳥嘉郎(けのび)、良知暁
コメント:関美能留(三条会)
司会:向坂達矢

日時:8/17[土] 19:30-
会場:手当(墨田区亀沢3-12-7)
入場料:¥1000+1drink

お盆、未だ知らぬ演劇の領野に踏み出してみませんか。
スピーカーが2019年の上半期に観劇した公演を、資料とともに振り返り、ざっくばらんに語り合います。

取りあげる上演:
赤門塾演劇祭、OiBokkeShi『ポータブルトイレットシアター』、ラビア・ムルエ『歓喜の歌』、たんぽぽの家『だんだんたんぼに夜明かしカエル』、秋の嵐『さよなら、ヒロヒト』、川崎郷土・市民劇『日本民家園ものがたり』、「演劇台本作成A.I.」、春風ひとみ『壁の中の妖精』、劇団東演『まだ今日のほうが!』、劇団ダンサーズ『動員挿話』、たつみ演劇BOX「仙太郎纏」、立教大学映像身体学科 羽鳥ゼミ『革命女性』、アリの街実行委員会×自由の翼『風の使者ゼノ』、兵庫県劇団協議会『大正七年の長い夏』、ほか

詳細はリンクを参照ください。

2019年6月12日水曜日

『ぼくらのハムレットができるまで』 上映会+関係者座談会

「日本の地域素人演劇の包括的研究」の関連企画として、ドキュメンタリー映画の上映会と関係者の座談会を開催します。座談会終了後に地域演劇の調査報告会も行います。参加無料・申込不要です。お気軽にご来場ください。



山本良子監督『ぼくらのハムレットができるまで』(2004年・46分)の上映会と、山本監督と赤門塾の創立者で哲学者の長谷川宏氏、現塾長・長谷川優氏のお三方を迎えての座談会です。

ヘーゲルの研究・翻訳で名高い長谷川宏氏は、地元・所沢で小・中学生を対象とする学習塾・赤門塾を開いて50年近く、毎年3月にその教室を会場に演劇祭を行ってきました。出演するのは塾生とそのOB・OGで、なかには十数年にわたって出演してきた人もいます。
学習塾で行われる演劇祭に興味を持った山本監督が撮影したドキュメンタリー「ぼくらのハムレットができるまで」を観た後、学校以外の教育現場における演劇上演の意義と可能性について3人からお話を伺います。

日時 2019年6月22日(土) 13:00~16:00
場所 成蹊大学4号館ホール
登壇者
 山本 良子(監督)
 長谷川 宏(赤門塾創立者、哲学者)
 長谷川 優(赤門塾塾長)
 司会:片山幹生(早稲田大学)
受講無料
申込不要

詳細は成蹊大学のホームページをご覧ください。

2019年5月5日日曜日

藝術学関連学会連合 第14回公開シンポジウム

藝術関連学会連合の公開シンポジウムに参加します。
詳細は藝術関連学会連合のページをご覧ください。

藝術学関連学会連合
日本学術会議 協力学術研究団体
第14回公開シンポジウム
アマチュアの領分
過去・現在・未来



2019年6月8日(土)13:00-17:00
国立国際美術館 大阪府大阪市北区中之島4 -2-55
主催:藝術学関連学会連合

プログラム
13:00  開会の言葉 藤田治彦|藝術学関連学会連合会長
     共催者挨拶 山梨俊夫|国立国際美術館館長
     全体の趣旨 鈴木禎宏|意匠学会|お茶の水女子大学
第1部 アマチュアの歴史  13:20-14:40
歴史においてアマチュアが果たしてきた役割について考えます。異なる芸術分野ごとの事情の違いに気づくとともに、歴史においてアマチュアがいかなる存在であったのかについて理解を深めます。

13:25 照らされたドメスティック・クラフツ
山﨑稔惠|服飾美学会|関東学院大学
13:40 農民美術におけるアマチュアの性質
石川義宗|日本デザイン学会|長野大学
13:55 〈芸術家〉になれなかった山下清
服部 正|美術史学会|甲南大学
第2部 アマチュアの現在  15:00-16:20
アマチュアをどう養成していくか、アマチュアはどう発生するか、プロ-アマの構図をどう見直していくのかといった問題点について議論します。各芸術分野がいま現在かかえている問題について比較検討をおこないます。

15:05 地芝居に見る〈アマチュアの領分〉
舘野太朗|日本演劇学会|横浜いずみ歌舞伎保存会
15:20 ポップカルチャーから見る〈よさこい系〉
秋庭史典|美学会|名古屋大学
15:35 プロ/アマの境界のシフトと社会的認知のズレ
神野真吾|美術科教育学会|千葉大学
第3部 アマチュアの未来  16:30-17:30
専門家集団である学会はアマチュアについて真剣に語ってきたでしょうか。現実においてプロはどれほどアマチュアと区別されるのでしょうか。芸術文化の根本にかかわる問題に切り込み、未来の芸術文化の担い手について考えます。

17:25 閉会の言葉 貫成人|藝術学関連学会連合副会長|専修大学
17:30 終了

地芝居に見る〈アマチュアの領分〉
舘野太朗|日本演劇学会|横浜いずみ歌舞伎保存会
歌舞伎は都市部のみならず、村落部においても村芝居として享受されてきた。村芝居は一座を買ってくる買芝居(かいしばい)と、素人の住民がみずから演じる地芝居(じしばい)にわけることができる。地芝居であっても、振付(演出)や音楽の演奏には、専門技術をもつ「プロ」が関わっていることが多い。「プロ」が担っている役割から、地芝居における「アマチュアの領分」を明らかにしたい。

民俗芸能学会第174回研究例会

民俗芸能学会第174回研究例会
「由來八幡宮姫之飯神事の検討」
発表者:小島美子、上西律子、茂木栄
司会:舘野太朗
日時:令和元年5月25日(土)14:00~
場所:早稲田大学演劇博物館レクチャールーム(6号館3階)
※参加費200円(会員でない方も参加できます)
要旨:
 由來八幡宮は島根県出雲地方の最西南端、中国山地にさしかかった所の飯南町頓原にあり、『出雲國風土記』には田倍社の名で記されている。毎年11月7日に姫之飯神事という祭が行なわれる。拝殿の中に設けられた舞殿の前面に、小さな俵2個を1組にしたものが3組並べられ、その上に白幣をたて、根つきの稲を4杷ずつ置く。禰宜が巫女の姿で登場し、再拝拍手した後、長い担(にな)い竹をとって四方に舞う。担い竹の両側に小俵の上の12杷の稲束をかけ、両手で持って舞う。正面の案(机)の下に置いた火吹竹などを持って舞い、案の上に置いてあった玄米を蒸したり餅をつくなどの仕ぐさをし、中から餅をとり出して正面や前面の小俵の上に置く。小俵の上の幣を取り、両手にもって舞って終わる。
 この前に御旅所往復などのはなやかな神幸行列などもあり、翌日には次の頭(とう)屋(や)を決める頭渡し神事が行なわれる。
 この姫之飯神事より早く10月の中頃に、その年の頭屋の田で稲刈を行ない、神事を行なった後、刈った稲を乾燥し脱穀し、それを姫之飯神事の前面に置いた3組の小俵に詰めておく。ただ12杷の稲だけは、担い竹にかけるために残し、他は神饌に充てる。
 さらにその前に注連おろしという儀式があり、田に1間四方の四隅に笹竹を立て、その正面に案を置きその上に御霊代宮という小さな宮を置いて神事を行なう。この神事では降神はするが、昇神はやらない。つまりこの小宮は稲霊を祀っているのである。
 また姫之飯神事で重要なのは、古くから伝えられてきた神饌で、玄御供(玄米の小豆飯)、里芋、ヤグサ餅(蚕に似せて作った餅)の3種を必ず一の膳として供えることである。これらは水田稲作が行なわれる前の稲作以前のものを大切に祭りつづけているということである。それをつづけられたのは、一つは中央から遠く圧力がかかり難かったということが考えられるが、もう一つはそれを支える頭屋制がしっかりしていたことであろう。
 この地の米は大国主命によって広められたと伝承されている。蚕もあり、そして里芋は南方に起源をもつ。この神事は複数の文化の複合の証左として考えられる。
「姫之飯神事」の本義を稲、儀礼、音楽、祭具類から検討したい。


2019年3月12日火曜日

『都市民俗研究』24


論文出ました。
昨年のシンポジウムの内容をまとめたものです。
舘野太朗「民俗藝能の大正―民衆藝術・ページェント・郷土舞踊―」『都市民俗研究』24、2019年2月。

2019年1月17日木曜日

芸能文化研究会第12回研究会

芸能文化研究会で報告します。
芸能文化研究会のブログはこちら


第12回研究会を下記の通り開催いたします。

日時: 2019年3月9日(土)14:00~
於 :早稲田大学戸山キャンパス39号館4階 第4会議室
   (新宿区 戸山1−24−1)

報告1:舘野太朗
「笹原亮二「ある民俗芸能家の肖像―永田衡吉の仕事を巡って―」を読む」
 笹原亮二「ある民俗芸能家の肖像―永田衡吉の仕事を巡って―」は、民俗芸能研究の会/第一民俗芸能学会(以後、「第一」と表記する)で行われた報告をもとに、『藤沢市史研究』25(1992年)に発表された論文である。のちに笹原亮二『三匹獅子舞の研究』(2003年、思文閣出版)にも収録されている。永田衡吉(1893~1990)は、劇作家として活動するかたわら、小寺融吉とともに「民俗藝術の会」の幹事を務めるなど、草創期から民俗藝能の研究と実践に関わってきた。太平洋戦争後の民俗藝能研究をリードした本田安次(1906~2001)よりもひとまわり年長であり、生涯、劇作家を名乗り続けた永田は、「正しい民俗芸能研究」の確立を目指した「第一」からすると、格好の標的であったのかもしれない。本報告では、民俗藝能の実践に着目して、笹原による永田批判の再検討を行いたい。

報告2:小林敦子(明治大学アジア太平洋パフォーミングアーツ研究所)
「観光化されなかった「阿波おどり」-「津田の盆踊り」の位置づけの変遷―」
 「阿波おどり」は、徳島市中(城下町)の盆踊りに昭和初期からの観光政策によりつけられた呼称である。元来は盆の時期になると老若男女が様々な集団を組み、にぎやかなお囃子に合わせ踊りながら通りを練り歩く形式であった。徳島県内の吉野川に沿った地域にも、徳島市中の盆踊りと同様の盆踊りが行われていた。「阿波おどり」は観光政策により観客に見せるショウとなり、即興的な自由な踊りから、「女踊り」および「男踊り」という様式が確立し、踊りの動作を揃え、様々なフォーメーションを組む群舞となった。吉野川地域の盆踊りも、また戦後に全国約60カ所で取り入れられた「阿波おどり」祭りでも、市中の「阿波おどり」が手本とされている。
 この中で徳島市東部沿岸の津田地区の「盆(ぼに)踊り」(注:「ぼに」は方言)は特異的で あり、市中の盆踊りの観光化に追随することなく、戦後も機知に富んだ唄と自由な踊りが伝承されていた。しかし津田地区の住民も次第に市中の華やかな「阿波おどり」に参加するようになり、昭和40年代には衰退した。その後民俗芸能保存政策の潮流により昭和61年に保存会が結成され、津田地区を中心に盆の時期だけではなく各種イベントで公演を行っている。保存会の結成時には津田地区の風習を基に海難事故で亡くなった人の霊を呼ぶ儀式が構成され、踊りの前にはこの儀式が行われており、「津田の盆踊り」は精霊踊りと位置付けられ、ショウ化した「阿波おどり」で失われた信仰を保持していると表象されている。本発表では「阿波おどり」の変容に伴う「津田の盆踊り」の位置づけの変遷をたどり、民俗芸能の機能について考える。

議論への積極的な参加を歓迎します。
事前に以下のアドレスまでメールをいただけると幸いです。
geinoubunka〇gmail.com(〇を@に変えてください)

2019年1月7日月曜日

名古屋の歌舞伎系劇団

スーパー一座(1979~2008)
 主宰:岩田信市・原智彦
 指導者:市川升十郎

名古屋むすめ歌舞伎(1983~)
 主宰:市川櫻香
 指導者:市川梅香、十二代目市川團十郎

南山歌舞伎(2005~2016)
 主宰:安田文吉
 指導者:中村熊昇

名古屋こども歌舞伎(2009~)
 主宰:安田文吉
 指導者:中村熊昇

ハラプロジェクト・パンク歌舞伎(2010~)
 主宰:原智彦

東海学園歌舞伎(2017~)
 主宰:安田文吉
 指導者:中村熊昇