2021年5月15日土曜日

民俗芸能学会主催「(仮題)福島の海と山から」の奇妙さ

民俗芸能学会の運営が正常でなくなっていることは以前書いた通り。今年度から理事会メンバーが大きく入れ替わり、昨年末に代表理事代行を解任された山路興造さんが代表理事に、茂木栄さんが事務局長に就任した。

5月12日に民俗芸能学会の会報(電子版)が届いた。第19期第1回臨時理事会(2021年4月10日)の報告に以下のような記述があった。

「令和四年・東日本大震災の新たな十年に向かっての鎮魂の芸能の企画(仮題)「福島の海と山から」・福島県浜通りにて、海に向かい奉納。「じゃんがら念仏」「権現様の舞」「浦安の舞」など三組程度が候補。・民俗芸能学会が主催すること、学会基金より二〇万円の拠出を決定。企画の具体に関しては、茂木理事を中心に継続審議とする」

 少なくともここ10年、民俗芸能学会で芸能公演を主催したことはなかった。研究を本分とする学会で芸能公演を主催する、しかも特定の地域で行うことには疑問がある。それよりも大きな問題は、理事会の判断だけで、20万円もの拠出を決めている点である。20万円は民俗芸能学会では大会費に匹敵する大きな額である。公演の日程も出演団体も決まっていない(明らかになっていない)のに、支出だけがはっきりしているというのが理解できない。

理事会の判断で臨時の支出を決めるという判断はありうる。例えば、2020年度に理事会の判断でZOOMの契約をしたが、通常の活動である理事会や研究例会が対面で実施できない状況に対応するためのものだった。新しい事業を立ち上げるのであれば、理事会で審議したのちに、総会で承認を得るという手続きを経るというのが常識的な流れであろう。

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